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TBS系・NEW23でこんな特集が放送されていた。
都立日比谷高校の文化祭「星陵祭」では、出店などは一切無く、24クラス全てが演劇を披露するという特徴があるそうで・・・
演目は生徒が決めるのですが、今年から「著作権」について必ず上演許可を許諾を得るコトを始めたそうなんですが・・・
著作権料を支払って欲しいと要求された作品もあったそうですが、無料公演のため、金銭は一切払わないと指導されていたため、お金を要求されたクラスは演目変更を余儀なくさせられたそうです。
中にはシェイクスピアの作品を上演するにあたり、翻訳者に著作権の交渉をしたクラスも・・・
その結果、著作権が消滅している作品やオリジナル作品が目立ったとか・・・
ここで疑問が・・・たしか教育目的の一環では著作権料が発生しないのでは?
著作権法では、教育目的で、営利目的ではなく、入場無料、ノーギャラという条件を満たせば、著作権者の許可を得る必要はないとされている。
最初に著作権の壁にぶつかったのは、2年前の都立青山高校でのお話。
この高校でも文化祭では、お芝居やミュージカルばかりを行っており、当時は著作権の許諾はどこにも求めていなかったが、学校側に「主としてアメリカの方からだいぶ苦情が来ているから、対応したいので著作権の許諾について話を聞きたい」とブロードウェイ・ミュージカルの著作権管理会社から突然連絡があったという。
内容は、今までのコトについては追求しないが、これから先きちっと対応して欲しいと・・・
著作権料は、安くて数十万円、ジュニア版というコンパクトなモノでも十数万円かかる。
何故、この会社は著作権料の請求をしたかというと・・・
2~3時間のオリジナル作品を文化祭で上演する場合、生徒が4~50分に短縮する改変を行うのが通常のやり方なので、”同一性保持権”(無断で改変されない権利)を持つ著作権者の「作家の権利を預かる立場としては、そういった上演を見過ごすコトはできない」というのが理由だそうです。
また、便宜上好きな様に改変出来るという権利は上演する側にはないし、たとえ教育目的の場合に許諾しなくてもいいと言っても、どうやって”同一性保持権”を守って上演出来るのか?とも言っていた。
都立青山高校では、この問題が発生した後、無料での上演許可を求めて来たが、思うように許諾が得られなかったため、文化庁と弁護士と相談し今年から新たな対策を立て、許諾を取らずに文化祭を開催したそうです。
ただ文化庁からは「それが正解かどうかは何とも言えない」と言われている。
学校側と著作権者の”新たな論争”・・・
専門家は「子供が犠牲になっている。両方がお互いの立場を相対化して、”自分は善で相手は悪だ”というのを払拭して冷静に話し合っていくべきだ!」と意見を述べていた。
また東京都の教育委員会では、今年の7月に200以上の高校に対し「無断で上演しないように・・・」と指導していると・・・
最後に「著作権は本来、著作物の有効利用のためにある訳で、利用を制限する訳であるモノではない」と特集が締めくくられていた。
ちと前置きが長くなってしまったけど、ココからは個人的な意見ですが・・・
日比谷高校の演目を見ても、去年は三谷幸喜氏の「笑いの大学」「12人の優しい日本人」やリブレセンの「ゴジラ」などの小劇作品があったのに、今年はつか氏の「二代目はクリスチャン」ぐらいしかない・・・
交渉段階でどのぐらいの小劇作品があったのか判らないけど、それにしても少ないと思う。
作家が著作権、それも同一性保持権を大切にしたいというコトも判るが、文化庁などからの助成金で公演を行っている劇団もあるんだから、その演目に関しては無償で許諾するべきだと思うし、文化庁も助成金を支払う時に「教育目的での上演の場合、無償で許諾するコト」という条件を盛り込むべきだと思うのだが・・・