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  観劇してきたお芝居の感想や日々の独り言などなどを書いていきます。
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16日の観劇です。 

★風琴工房「hg」
  (ザ・スズナリ@下北沢)

1956年、熊本県水俣市で起こった世界最大の水銀公害病。
「水俣病」 その患者の多くは漁民であり、病気に対する研究や知識の不足から差別の対象となり、病のうえにさらに過酷な運命を背負わされた。

汚染の原因となったのは新日本窒素肥料(現在のチッソ)水俣工場。
未処理のメチル水銀を多量に不知火湾に廃棄したため、その水銀が魚のなかで生体濃縮し、日常的にそれを摂取した周辺住民たちが発病した。

水俣病の原因である水銀の化学記号「hg」をタイトルに抱いた本作は、1959年当時チッソ付属病院内で行われていた内部研究と、2008年現在の水俣を舞台に描く作品。


1959年の秋の一時間と2008年春の一時間を舞台にした2部構成の作品。

ホンの出来、役者さんの演技など、全てにおいて素晴らしい作品に仕上がっていたんですが・・・

「水俣病」を題材にした作品と知ったとき、観る側の年代によって、捉え方が全く異なるんだろうな・・・と危惧しながら観劇していたんですが、その通りになってしまった。

この作品を作り上げる上で、かなりの取材とモデルになった方々との交流を深めているので、かなりリアルな作品に仕上がっていた。

そのせいか「水俣病」を知らない年代には衝撃的な作品かもしれないが、「水俣病」をドキュメンタリーでじゃなく、ニュースで知らされていた年代にとっては、観るに耐えない作品になってしまったのではないのかな・・・

あちきは後者の人間であり、観ていて「観ていたくない」「マネしてほしくない」という拒否反応が出てしまい、観終わった後、気分は最悪な状態であった。

ドキュメンタリーなどは、ある程度、フィルターが掛かっているので、そんな想いはしないが、ニュースや演劇だとその状況が直に伝わってくるから、こんな想いになってしまったと思う。

ただ、ホンの中でも似たセリフが出て来たので、作者の詩森ろばさんは、この様な想いを一手に引き受けて上演したんだろうな・・・

また、リアルさを追求しないと、この作品は完成しなかったんだろと思う。

「水俣病」を風化しないためにも、この様な作品は必要だと考えるし、上演を許可したモデルとなった施設の理事長さんに敬意を評します。

満足度:★★☆☆☆

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